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プレスリリース「建材フォーラム 2001年8月号」

特集/リサイクル舗装材の開発動向
無焼成・無排水・無廃棄生産を確立した舗装材の開発
東邦レオ株式会社・亀井製陶株式会社・株式会社共生

はじめに

自然の恩恵を受け現在まで繁栄を続けてきた20世紀。そしてその恩恵を地球に恩返しすることから始まる21世紀。環境に対する配慮が当たり前のように求められてきた現在、企業活動の中で出る未利用資源を再度製品として活かし、循環型社会を創っていくことは、これからの企業の重要な責務である。

このような考えのもと数多くの廃棄物を有効活用し、伝統の窯業技術(混練技術)と新開発の特殊固化技術により、焼かずに再生した画期的なアンティークレンガ風ブロック「アーザンブリックス」の開発を行った。無焼成でありながら風合いが良く、かつ豊富なカラーをもち、低価格と施工性の良さを実現している。

また強度等の物性や滑り抵抗、有害物質の溶出といった安全性に対しても厳格な基準をクリアしており、高品質な舗装用・ガーデニング用敷設材である。

資源再生比率80%

「アーザンブリックス」は、原料の80%以上が再生資源。下水汚泥焼却灰・石炭灰・堆積汚泥・窯業廃土(キラ)・溶融スラグ・ガラスくず・パルプスラッジなど、下水処理施設や企業活動から出る廃棄物など、数多くの未利用資源を利用。エコマーク事務局認定の地球に優しい環境保全型商品である(第 99109003号)。

無焼成・無排水・無廃棄生産を実現

「アーザンブリックス」の開発に携わってきた亀井製陶株式会社。リサイクル資材の開発に当り、身近な窯業業界の廃棄物の利用をメインに検討していたが、業界内にこだわらず間口を広げてより社会性のある未利用資源を有効に利用していかなければ、世の中には受け入れられないと考えるに至った。

しかしどんな廃棄物をどの程度混入するか試行錯誤の繰り返しであった。また本業の窯業技術を生かした焼成による製造では、焼成にむかない廃棄物や、焼くために前処理が必要でコスト高になる廃棄物があったりと利用が限定されてしまう。

そこであえて本業を離れ、焼かない製造技術を高度化した。二年がかりで窯業技術である土の練り込みのノウハウと、セメント固化技術を合体させた「無焼成レンガブロックの製法」を完成し特許を取得した。無焼成のため製造過程でCO2を排出しない。より環境負荷の少ない製品を産む結果にもなった。

また製造工程で発生する不良品や、面取り等に利用する水もすべて再利用するため、工場排水や廃棄物を出さず、無焼成・無排水・無廃棄での生産を確立している。製造工程の概要は以下の通り。

  1. 原料を定量排出し、機能性添加物とともに連続混合機にて圧力混合を行い前原料(原土)としてストックする。
  2. ショベルにて前原料を定量供給機に投入。計量しながら排出させ、それぞれのタイミングでセメント・顔料・粉砕くず・機能性添加剤を加え、再度圧力混練混合を行う。
  3. 定量供給機にて真空押出機に投入し原料を高密度化。スクラッチ加工による独特の風合いを持たせた後、プレスによりブロック体に成形。
  4. 約20時間の初期養生の後、検査・選別を行う。不良品は再度粉砕して原料に混入。A級品は屋内養生後、包装をして出荷される。

安全で高品質

六価クロム、砒素、カドミウム、全シアンなど、有害物質の溶出といった安全性に対して、土壌の汚染に係る環境基準(環境庁告示第46号基準)の厳しい検査をクリア。耐酸性試験・耐凍害性試験も実施済みで、寒冷地での利用にも適応できる。曲げ強度や圧縮強さ等、強度面においても基準を超える優れた物性。あらゆる施工条件に対応可能である。

抜群の風合いを低コストで

アンティークなレンガ風の外観と暖かみのある色合いにこだわった「アーザンブリックス」。滑り抵抗値も通常基準の1.5倍以上。滑りにくく、やさしい歩行感はバリアフリー歩道にも適している。

景観になじみやすい通常品の「スクラッチ」は、シックで温もりのあるアースカラー8色から、角を丸く仕上げた「スクラッチコボル」は4色から選ぶことが可能。利用面積により特注色での製造も対応出来る。

また、原料となる廃棄物を前処理なしで原料に使用。さらに無焼成。余分な工程を極限まで省くことで、徹底した省エネ・低コストを実現している。

ゼロエミッション(現場発・地元発)

伝統の窯業技術(混練技術)と特殊固化技術により、現場発生土や地元の廃棄物を利用した地域密着型の無焼成「リサイクルブロック」の製造が可能である。現場発生土の混入割合は約20%程度。10tの残土(比重1.6程度)から約400m2の「アーザンブリックス」の生産が可能である。事前に工場にて混練試験を行い、生産数量を確認し生産に必要な分の引き取り量を算出する。使用済みの製品も何度でもリサイクル可能。ゼロエミッション推進の一環として、廃棄物の有効活用に対応する。

公共建築協会評価認定

社団法人公共建築協会では、工事の質を確保するとともに、建築資材に対する評価の透明性・客観性を確保し、かつ工事現場における確認業務の簡素化・効率化を図ることを目的として「建築材料・設備機材等の品質性能評価事業」を平成6年より実施している。「アーザンブリックス」は平成13年4月より品質性能評価品として認定されている。

今後の展望

街なみの景観を決定づける大きなファクターである舗装材(タイル・れんが・ブロック等)は、様々な天然資源を利用することが殆どである。しかし、天然資源の採取には自然環境への影響が懸念され、今後急速に広がる循環型社会に於いて、廃棄物の減量及び自然保護の観点から、リサイクル舗装材の市場はますます広がっていくと思われる。

しかし汎用化が進むにつれ、資材に求められる要素は、リサイクルの内容や混入率の追求だけではなく、景観性に優れていること、より現場に則しているもの、身近なものであること、低コストであること、安全であることなど多角的な要素が求められる。

新品の時が一番美しく、時間とともに劣化する通常の工業化製品と異なり、時間の経過と共に、使えば使うほど風合いを増しながら快適空間を創出する「アーザンブリックス」。これからも環境に優しく、安全かつ高品質で景観性に優れた舗装材の拡販に努め、地球環境に貢献する人々をトータルサポートしていきたいと考えている。

(建材フォーラム 2001年8月号)

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