プレスリリース 新聞・雑誌

プレスリリース「平成14年7月5日 電氣新聞」

自主生産体制を構築
東電環境エンジニアリング
廃棄物で無焼成れんが

東京電力の100%子会社である東電環境エンジニアリング(本社=東京都港区、星利樹社長)が年度内に、環境に配慮した無焼成れんがの製造・販売に乗り出す。約2億5千万円を投じて、下期中をめどに茨城県猿島郡総和町に工場を建設。東電グループや一般企業、自治体から産業廃棄物を有料で回収し、セメントなどと混ぜ合わせてリサイクルれんがを製造、ホームセンターなどに卸していく。

売り上げ目標は、実質的初年度となる2003年度で1億5千万円。05年度の単年度黒字、06年度の累積損失解消を目指す。東電子会社の中で、自主生産の体制を敷くのは初めて。

れんがの名称は「地球製レンガ(アーザンブリックス)」。原料の8割以上が、保温材やがい子のくず、鉄鋼スラグ、採石排土、汚泥などの産業廃棄物だ。ゼロエミッション(産業廃棄物ゼロ)に向けた取り組みを進めている東電からは当面、大井、横浜の2火力発電所から月数トンの保温材くずを、鉄鋼や自動車などのメーカーからは鉄鋼スラグなどをそれぞれ通常処理費用の6-7割程度で回収し、リサイクルれんがの原料に使う。

また、亀井製陶との技術提携により、製造過程で燃焼を伴わない「無焼成固化技術」を採用。二酸化炭素(CO2)の排出を極力抑えた。れんがは2種類の大きさを用意し、それぞれについて角がとがったスクラッチタイプで8色、角丸のスクラッチコボルで4色をラインアップ。舗装材としての使用を意識して透水性も確保している。

主な販売エリアは、亀井製陶との契約上、関東地区に限定される。一般のガーデニング市場向けにホームセンターへ、舗装ブロック市場向けとしては建材販売店へ卸売りする。自治体にも自ら営業攻勢をかけていく。

総和町の製造工場は下期から建設工事にとりかかる予定で、竣工時の生産能力は5百万箇。稼働率は03年度50%、04年度80%と段階的に高めていき、05年度からはフル生産の体制に入る。

関東甲信越地方のれんが市場規模は、舗装れんがやリサイクルブロック、つなぎ可能なインターロッキングブロック(ILB)も含めると約130億円といわれる。人気の高い舗装れんがの市場価格は1個130-180円だが、アーザンブリックスは90円前後での販売が可能となりそうだ。

(平成14年7月5日 電気新聞)

一覧へ戻る

ページのトップへ