産廃でブロック生産
捨てず、焼かず、そっくりリサイクル
総和で操業開始 舗道や園芸用に出荷
東京電力の関連会社、東電環境エンジニアリング(本社・東京都港区芝浦4丁目、星利樹社長)は、不用になった石材クズやガラスのクズなどを原料に、特殊固化技術により焼かずにリサイクルブロックに再生する事業に乗り出した。製造工場の総和リサイクルセンターを猿島郡総和町の丘里工業団地に建設、操業を始めた。
東電環境エンジニアリング
製品の商品名は無焼成レンガ風ブロック「アーザンブリックス」。原料は自治体や企業から搬入される汚泥、採石廃土、鉄鋼スラグ、不用電柱の碍子など、産廃を80%使用しているのが特徴。これらの産業廃棄物は真壁町の石材団地を始め、栃木県の採石場、東電関係会社など県内外の団体や企業から運び込まれる。
これらの原料を均一に混合した上で、同社と技術提携している岐阜県の亀井製陶が特許を所有している特殊固化技術を使って、無廃棄、無排水、無焼成で製造するという。
同社では「特に注意しているのは原料と製品に有害物質が混入していないかということで、搬入された原料を厳しくチェックしている」という。
同工場はフル生産で年間600万個の生産が可能。本年度の生産予定は260万個で、2年後には500万個の生産を目標にしている。
製品のブロックは公園や舗道用の「スクラッチ」と、面取り加工を施した園芸向けの「スクラッチコボル」の2種類。スクラッチブロックの1m2(厚さ6センチ)分の価格は5800円。
今のところ、製品は東京電力常陸那珂火力発電所内の花壇や、マンションの外構用に出荷しているという。
東電環境エンジニアリングの山崎隆史・総和リサイクルセンター長は「ごみの減量やリサイクルへの取り組みが叫ばれる中、少しでも循環型社会に貢献出来ればよい」と話す。今後、自治体や企業、ホームセンターなどに売り込みを図る方針だ。
問い合わせ先は総和リサイクルセンター(TEL0280・97・2671)。
(平成15年10月20日 朝日新聞)